noteなどが主催する日本最大級の創作コンテスト「創作大賞2026」の関連イベントが5月1日、リアルとオンラインのハイブリッド形式で開催された。創作大賞2024の双葉社賞(エッセイ部門)を受賞したエッセイストの長瀬ほのか氏が「日常を“作品”にするエッセイの書き方」をテーマに、書き続けるための視点やエッセイを作品化する方法について語った。創作大賞への応募を目指す書き手にとっても、示唆に富む内容となった。

    イベントには東京都内の会場に約80人、オンラインで約220人が参加した。長瀬氏への聞き手はライター・エッセイストのいしかわゆき氏が務めた。まず、「エッセイを書くときに一番大事にしていることは」と聞かれた長瀬氏は、「出来事を書くだけで終わらせず、そこに時間の流れや感情の動き、別の記憶や視点を重ねること」と話した。

    また、「エッセイは客観性が大事」と指摘。自分だけがわかればいい日記とは違って、「エッセイでは自分を少し俯瞰して見る視点も重要。例えば、自分が子どもだった頃の記憶を書いてみると、今の自分との距離が生まれて、感覚をつかみやすくなるのでは」とすすめた。

    さらに、「読みやすい文章はどうやったら書けるか」という問いには、「テンポ」を大事にしていることを明かした。「ここはテンポが悪い」「引っかかる」と感じた部分を、必要ならば削ってでも書き直していくという。エッセイが“日記”で終わらないための工夫として、「今日あったことだけを書くのではなく、過去の出来事をつなげることもある」と説明。関連する記憶や人物像を重ねることで、文章に厚みが出るとした。

    創作大賞への応募を考えている人たちにもアドバイス。特別なテクニックを意識するよりも、「本になることを強く意識して書くこと」を挙げた。創作大賞が本にしてもらえる可能性のある場だからこそ、「この作品が一冊の本になったとき、どんな本になるのかを想像することが大切」と訴えた。

    最後に、「自分には大きなネタがない」「平凡だから書けない」と感じている人に対して、「人生は全員違う。誰でも書けることがあるはず」と呼びかけた。「まずは一人でも読んでくれる相手を見つけること」として、「自分が面白いと思っている作品なら、誰かもきっと面白いと思ってくれるはずと信じて、書き続けてほしい」とエールを送った。

    創作大賞は、noteと物語投稿サイト「TALES(テイルズ)」が主催する日本最大級の創作コンテスト。今年度は出版社やテレビ局など34のメディアが参加し、エッセイ、小説、フード、ビジネス、エンタメ原作など全12部門で作品を募集している。応募締切は7月8日。過去4回では、書籍化・映像化・連載化など32作品がメディア化されている。